ビジネス留学で取得できる資格は、主に語学資格、ビジネス分野の検定・認定資格、大学や大学院の学位です。ただし、すべての留学先で資格を取れるわけではなく、学校・コース・受験条件によって異なります。
「海外で学んだ証明」が欲しいのか、「就職や転職に使える資格」が欲しいのかによって、選ぶべきビジネス留学は変わります。
ビジネス留学で取得を目指せる主な資格
| 種類 | 取得を目指せるもの | 主な目的 |
|---|---|---|
| 語学資格 | TOEIC、IELTS、TOEFLなど | 英語力を数値で証明する |
| ビジネス英語の資格・認定 | BULATSの後継試験など、実施機関が提供する英語試験・認定 | 仕事で使う英語力を示す |
| 専門資格 | 会計、マーケティング、プロジェクト管理などの資格 | 特定分野の知識や実務力を証明する |
| 学位・修了証 | 学士号、修士号、ディプロマ、Certificateなど | 学習期間や専門教育の修了を証明する |
資格名や試験の実施状況は国・学校・時期によって変わります。申し込む前に、留学先の公式案内で「試験を受けられるのか」「コース修了時に証明書が出るのか」を確認してください。
英語力を証明する資格
ビジネス留学で最も取得を目指しやすいのは、英語力を証明する試験のスコアです。代表的なものに、TOEIC、IELTS、TOEFLがあります。
TOEIC
TOEICは、英語による聞く・読む力や、話す・書く力を測る試験です。日本企業の採用や社内評価でスコアを利用する場合があるため、帰国後の就職や転職で英語力を示したい人に向いています。
ただし、留学先の授業を受ければ自動的にTOEICの資格やスコアを取得できるわけではありません。現地または帰国後に、試験の実施日と申込方法を確認して受験する必要があります。
IELTS・TOEFL
IELTSやTOEFLは、海外の大学・大学院への進学や、英語で行われる教育機関への出願で使われることが多い試験です。読む・聞く力だけでなく、話す・書く力も含めて英語力を測ります。
将来、海外の大学や大学院で経営学などを学びたい人は、留学先の入学条件がIELTSとTOEFLのどちらに対応しているかを先に確認しましょう。必要なスコアや各技能の最低点が指定されることもあります。
ビジネス英語の資格・認定
ビジネス英語のコースでは、会議、プレゼンテーション、交渉、メール作成など、仕事で使う英語を学びます。コースによっては、修了証や学校独自の認定証を受け取れる場合があります。
ただし、「ビジネス英語を学んだこと」と「公的な資格を取得したこと」は同じではありません。修了証は、決められた授業を終えたことを示す証明書です。一方、外部試験のスコアは、試験結果によって英語力を示します。
留学先を選ぶときは、次の点を分けて確認してください。
- 授業を修了すれば証明書が発行されるのか
- 外部試験を校内で受験できるのか
- 試験料が授業料に含まれるのか
- 修了証が学校独自のものか、外部団体の認定なのか
- 証明書にコース名、学習時間、成績などが記載されるのか
会計・経営・マーケティングなどの専門資格
ビジネス留学の内容によっては、会計、財務、マーケティング、人事、貿易、プロジェクト管理などの専門資格を目指せます。ただし、これらは通常、留学しただけで取得できるものではなく、指定科目の修了や試験合格などの条件があります。
会計・財務系の資格
会計や財務を扱うコースでは、簿記、財務諸表、管理会計などを学び、会計関連の試験対策につなげられる場合があります。海外の資格を目指す場合は、受験資格、試験言語、実務経験の要否を確認することが重要です。
日本で働くことを前提にするなら、海外の会計資格が日本の求人でどのように評価されるかも確認しましょう。資格の知名度だけでなく、応募する職種との関係や、実務経験の条件が判断材料になります。
マーケティング系の資格
マーケティングの留学では、市場調査、消費者行動、広告、デジタルマーケティングなどを学びます。コース修了証を取得できることはありますが、学校の修了証と、専門団体が認定する資格は別のものです。
デジタル広告やアクセス解析などの分野では、サービス提供会社がオンライン認定を実施していることもあります。留学先の授業に含まれるのか、別途試験を申し込む必要があるのかを確認してください。
プロジェクト管理系の資格
プロジェクト管理を学ぶコースでは、計画、進行管理、リスク管理、チーム運営などを扱います。資格によっては、試験だけでなく一定の学歴や実務経験が必要です。
そのため、短期のビジネス留学で授業を受けた場合は、資格そのものではなく、試験対策の知識や修了証を得られるケースもあります。受験条件を満たすかどうかを、資格の実施団体で確認しましょう。
大学・大学院の学位や修了証
長期のビジネス留学では、経営学、国際ビジネス、マーケティング、ファイナンスなどの学位を取得できる場合があります。代表的なものは、大学の学士号や、大学院のMBAなどです。
学位取得を目的にする場合は、授業内容だけでなく、入学条件、必要な英語スコア、修了までの期間、学費、卒業要件を比較する必要があります。
一方、短期留学や語学学校のビジネスコースでは、学位ではなく、コース修了証や受講証明書が発行されることが一般的です。学位と修了証は評価や用途が異なるため、履歴書にどのように記載できるかも確認しましょう。
| 証明の種類 | 内容 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| 試験スコア | 試験時点の英語力や知識を示す | 応募条件や英語力の証明 |
| 修了証 | 決められた授業を修了したことを示す | 学習履歴や研修実績の証明 |
| 資格 | 試験合格などの基準を満たしたことを示す | 専門知識や技能の証明 |
| 学位 | 大学などの教育課程を修了したことを示す | 学歴や専門教育の証明 |
資格を取得しやすいビジネス留学の選び方
資格取得を重視するなら、留学先を決める前に「何を取得したいか」を一つに絞ることが大切です。英語力を証明したい場合と、会計や経営の専門資格を取りたい場合では、必要なコースが異なります。
- 履歴書や応募先で必要な資格・スコアを確認する
- 資格の実施団体で受験条件と試験日程を確認する
- 条件に合う授業や試験対策コースを探す
- 留学先に、試験受験の可否と修了証の内容を問い合わせる
- 授業料、試験料、教材費、受験に必要な滞在期間を確認する
特に、学校のウェブサイトに「資格取得を目指せる」と書かれていても、合格を保証する意味とは限りません。「試験対策を行う」という意味なのか、「校内で受験できる」という意味なのかを確認すると、入学後の認識違いを防げます。
短期留学でも資格は取れる?
短期留学でも、試験を受けて英語スコアを取得したり、コース修了証を受け取ったりできる場合があります。ただし、専門資格や学位は、必要な学習期間や実務経験の条件によって、短期留学だけでは取得できないことがあります。
短期留学で目指すなら、授業の修了証、英語試験の受験、特定分野の入門認定など、短期間で条件を満たせるものが中心です。資格名だけで判断せず、取得までに必要な学習時間と受験条件を確認してください。
資格目的なら確認すべき注意点
海外で取得した資格が、日本でそのまま国家資格や業務独占資格として使えるとは限りません。法律や制度に関わる資格は、国によって認定範囲や登録条件が異なるため、日本で使う場合の扱いを関係機関に確認する必要があります。
また、資格の名称が似ていても、発行団体、受験条件、更新制度、実務経験の要否が異なることがあります。留学エージェントの説明だけで決めず、資格の実施団体と留学先の両方の案内を確認しましょう。
ビジネス留学で取得できる資格は、留学先のコースによって異なります。まずは英語スコア、専門資格、修了証、学位のどれが必要なのかを決め、その条件を満たす学校を選ぶことが、資格取得への近道です。


